コレクション: 土田のお米

すじまき(種まき)

おいしい米を作る為に

3月下旬から米作りの1年が始まります。まずはタネモミを水に(積算温度が100度になるまで)じっくりと2週間ほど浸します。その後、30度の発芽ムロにて「芽出し」します。芽がちょこんと出たタネモミをすじまき(種まき)します。

30度の発芽ムロにて「芽出し」します

芽を出し、苗が約10センチの高さまで成長したら、田植えです。ハーヴェストでは、1坪に45株を目安に植えます。その後、水の管理や雑草の管理、病害虫管理を経て、苗は大きく育っていきます。

苗が約10センチの高さまで成長したら田植えです

「土田のお米」は、ミネラル有機成分をたくさん含んだ肥料を使用しています。 また農薬は、初期段階で除草剤2回のみを使用、低農薬米です。害虫駆除の農薬は使用していません。そのため、どこかからカモが飛んできて、毎年親子で遊んでいます。ヘビやキジなどのいろいろな生き物たちも暮らしている自然豊かな田んぼです。苗が育ってくるといろいろな雑草も生えてきます。時折、田んぼの中を歩き、雑草を手で抜いて見回りをします。

8月にはイネの花が咲き、その後結実して、頭を垂れ始めます。黄金色に色づいてきたら、9月中旬には稲刈りです。稲刈りした後は、8時間ほど乾燥し、籾摺りをして玄米の状態で保存しています。

市場に出回るお米は、水分量14.5%まで乾燥するのが通常ですが、「土田のお米」は、食味の品質を維持するするために、15%で仕上げています。そうするとふっくらとしたお米、割れや欠けの少ないお米となります。ただ、新米は米自体がまだ柔らかく、お米自体のまとまりが安定していないため、炊き上がりが柔らかくなります。

スーパーで買う米と農家から買う米の違い

スーパーで販売されているお米は、JA(農協)に出荷されたり、米問屋が契約農家から集めたお米を混ぜて保管し、袋詰めして出荷されています。つまり、いろいろな農家が作ったお米が混じっているものがスーパーで販売されているお米です。

農家から買う米と農協などを経由した米の違い

お米は「他の農家で作られた米と混じっていない、1件の農家のお米」を食べるのが一番美味しいのです。なぜなら、米作りは育てる人の違い、育つ場所や環境の違いにより味が全く違います。水の違い、日当たりの違い、育て方(肥料や農薬散布)の違い、、、細かいことを言えば、同じ人が作っても、田んぼ1枚1枚でも味が違うのかもしれません。
「土田のお米」は、土田信行が作ったお米だけ。30年の経験の中で見つけた栽培方法で作っています。  

他のお米と混じっていないお米、だから美味しいのです。

コシヒカリのBLと従来種について

コシヒカリBLと従来種について

米どころ・新潟県で多く作られている「コシヒカリ」、日本でもっとも食べられているお米です。  

コシヒカリの特徴はなんと言っても、甘みともっちりとした食感。お米の旨味をしっかり感じられる お米です。「コシヒカリは美味しい!」と一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

従来のコシヒカリ(以下、従来コシ)は元々、病気に強くて、収量が多く味の良い品種としてできたお米。しかし、稲の背が高いため、倒れやすくイモチ病にはかかりやすいという性質を持っていました。そこで新潟県は15年かけて倒れにくく、イモチ病に強い「コシヒカリBL」(以下、BL)という品種を作り出しました。2005年からはスーパーなどで「新潟コシヒカリ」として売られているお米はBLです。BLは品種改良されたお米であり、科学的にも法律的にも従来コシとは別の品種のお米なのに、「コシヒカリ」として売られています。BLが新潟県の奨励品種となったため、従来コシを作っても農協に出荷できないので、ほとんどの農家はBL生産に切り替えました。

従来種のコシヒカリにこだわる

しかし、新潟県人の多くが「従来コシのほうが美味しいよね」と話しています。B Lは、粒がほんの少しだけ小さい(気がするだけかも‥ですが)、もっちり感が足りない(気がするだけかも‥ですが)のです。そして、だって「コシヒカリは美味しい!」と全国の人に言わしめたのは、従来コシだったでしょう!

「土田のお米」は従来コシヒカリです。BLも作っていますが、美味しいお米を皆さんにお届けするべく、従来コシを作っています。

従来コシは炊き立ては思わず「うまっ」と言ってしまうほど。白ごはんだけで食べると噛めば噛むほど甘味を感じますし、しっかり味付けのおかずとの相性もよく、ご飯がつい進みます。 また、冷めても美味しくいただけるので、お弁当に最適です。

冷めてもおいしいごはんだからお弁当やおにぎりに最適です

従来コシの倒れやすさ対策は、育て方の工夫です。植え付け(田植え)の時、通常の農家は、4,5株植えるのに対し、「土田のお米」は2,3株。

そうすれば、1株ずつのスペースがしっかり確保できるので、稲の分げつ数(稲の茎が出る本数)が増え、しっかりした稲となり、倒れにくくなります。また、肥料を多く与えれば粒は大きくなり重量も重くなるのですが、「土田のお米」は肥料をギリギリまで少なくして、実っても太りすぎず、倒れにくくしています。そして、稲は肥料に頼らず、自分でデンプンを作り出そうと頑張るので、美味しいお米ができるのです。

米農家としてのハーベストの歴史

「土田のお米」の生産者は、土田信行。新潟県燕市の農家の5代目です。その前の先祖もずっと百姓で稲作、野菜を主に作っていました。5代目となり、伝統の稲作を引き継ぎ、現在まで至っています。 昔は、今のように機械がなかったので、すべて手作業でした。しろかき(水をはった田んぼをならし、植えられるようにする)は牛を引いてやった、という話です。季節になると、近隣の親戚縁者が一堂に集まり、今日はこの家、明日はあの家、と順番に田んぼ仕事をしたそうです。この広い田んぼ、たとえば田植え、手で植えるのはどれだけ時間がかかっただろうと思います。

米農家として5代目となる土田信行

以前、稲刈りの時、田んぼがぬるんで機械が入れず、手で稲刈り・収穫したことがありました。1枚の田んぼを3人がかりで、まるまる2日間かかりました。そして実ったイネのなんと重いこと!乾燥機のなかった時代は、ハザと言って木と木の間に棒を渡してそこにぶら下げて乾燥していましたが、高いハザの場所まで下から投げてひっかけた、というから信じられません。下から投げるのは女の仕事、上で受け取りひっかけるのは男の仕事だったそうです。こんな重たいイネをどうやって投げていたのか、できるわけがないと思いました。

でも、お米の重さを実感できて、お米には力が宿っている、パワーの源はこの重さなんだな、と感じました。まさに、お米は私たちのエネルギー源ですね。

ハーベストの米作りの環境について

新潟県は、びっくりするほど真っ平。私は東京出身なのですが、最初、坂道がないことにびっくりしました。また、燕市の道路を走っていると、どこまでもどこまでも平らが続き、これほど農業、田んぼに向いている場所はないなぁと思います。

ハーヴェストのある燕市井土巻は、信濃川の水流が多く、氾濫を繰り返し、水の多い場所でした。土田の家にも船があったそうです。湿気が多く、米作りには苦労し、収量が安定しないため、人の嫌がる苗作りを担当する地域だったようです。先祖は苦労していたのですね。

平な大地が続く平野で作られるコシヒカリ

江戸時代に、人口的に作られた支流、中之口川により洪水が減少しました。信濃川の氾濫で堆積した肥沃な土壌のおかげで、栄養分・特にミネラル分が豊富で、この地域の農作物は美味しく出来上がります。また、現在では堤防がしっかり作られ、氾濫することがないので、安定した収量を得ることができています。

今では上越新幹線燕三条駅や高速三条燕インターチェンジの近くとなり、人口も増えました。ちょっとした街中で行う農業に変わりましたが、この地で大切に受け継ぎ、守られてきた作り方で、新潟県のこの地でていねいに米作りをしています。 歴史に育まれた稲作りが今の時代に引き継がれています。

「身土不二」という言葉があります。その土地の食べ物、その季節の食べ物が身体に良い、という考え方です。まさに日本の主食であるお米。日本で作られたお米をしっかり召し上がっていただきたいと思います。

米の保管と精米

収穫したお米は、玄米となってハーヴェストの敷地内にある土蔵で保存しています。お米は温度変化に弱いので、一年中室内10度を保ち続け、お米の品質が変わらないようにしています。土蔵は土でできており、呼吸する家です。適度に湿気を含み、お米にとって居心地の良い空間です。そして害虫や害獣の侵入を防いでいます。

粒がそろい旨みが増したお米

精米は、毎週1回少量ずつ自園で行います。「土田のお米」は、農薬散布をほとんどしていません。特に害虫駆除のための農薬をまかないため、実りの季節になると、カメムシやバッタが、稲を食べます。害虫はお米の粒から養分をチューチュー吸います。そうなると、お米に黒い斑点がついたお米となります。 また、気温が高すぎるために白濁したり、不稔(実らなかった)の米粒も混じります。

皆様にお送りするお米は、精米後、1粒1粒、手作業・目視で、虫が食べ黒くなった斑点米や白濁米、不稔米を取り除いています。さらに、全てを手作業でふるいにかけ、ヒビ割れやかけたお米やゴミを取り除いています。そうすることで、粒がそろい、旨味が増したお米となります。

精米の種類

玄米

モミガラをとっただけのお米。見た目は茶色。

メリット
玄米には胚芽部分やぬか層があるため、栄養分を多く含みます。食物繊維やビタミンが白米に比べて多い。「完全栄養食」と呼ばれています独特の食感があるため「よく噛む」こととなり、ダイエット中の方などに好まれます。

デメリット
果皮や種皮がついている状態であり、また、ぬかに油分を多く含むので、胃腸、消化に負担がかかります。お米を炊くのも前もって浸水させる必要があり、手間がかかります。また、農薬は油分に溶けるため、玄米には農薬が残留する場合が多くあります。(土田のお米は、稲穂が実る時期の農薬散布はしていませんのでご安心ください)

白米

玄米の表面(皮やぬかぶぶん)を削り取ったお米。見た目は白色。

メリット
白米は、柔らかく炊き上がり、見た目が真っ白、ツヤツヤ、香りの良いお米となります。消化が良く胃腸への負担が少なく、デンプンが吸収されやすいので、人間の体内ですぐにエネルギー源となります。

デメリット
栄養分は玄米より劣ります。また、保存状態が悪いと黒ずんでカビが生えたりします。またハーヴェストでは、精米後手作業で、斑点米や白濁米などを取り除き、ふるいにかけているため、玄米よりお値段が高くなります。

土田のお米を作る土田信行について

土田のお米を作る土田信行について

生産者である土田信行は、約30年植物や自然と向き合ってきました。植物を見つめる目は厳しくも、優しく、植物が本来持つ力を心から信じています。「人間がどうのこうのしたい、というのはおこがましいよね。植物がその場に適応して、自分で頑張って美味しく育つから。その力を信じて、僕は手伝いをちょこっとするだけ」と言います。

農業は現在どんどん進化をしています。AIを取り入れたり、新しい肥料ができたり、新しい製造方法ができたり‥、
でも、土田信行が子どもの頃に見た景色、土と植物を信じて作る米作りを頑なに守っています。 「先祖が作っていた米作りが基本、変わらないものを大切にしたい」
なにより自分自身が食べて美味しいと思うお米作りをするために、肥料を変えず、家に代々伝わってきている栽培方法をひたむきに、心を込めて作っています。

代々伝わってきた栽培方法で心を込めて作っています

そんなひたむきさや、植物を思う気持ちがお米の味になっている気がします。丁寧な味、迷いのない味のするお米です。

米作りは、毎年異なります。ちょっとした気温の変化や天候が違うので、暦と経験を突き合わせて半年以上のお米を作っています。その変化は、収量や品質にばらつきをおこさないとは言えませんが、「僕が精一杯育てたお米を食べて、幸せを感じてください。」とのことです。